この記事は「ドット絵 Advent Calendar 2017」の12月24日の記事です。
クリスマスと言えば、もちろん
ドット絵ですよね。
お正月もドット絵以外の何物でもないですね。
こんばんは、はじめまして、こやまなつみです。
趣味ドッターです。こんな絵を描いてます。ドット絵だいすき。ドーナツだいすき。
アドベンドカレンダーって正直よくしらなかったけど、ドット絵のお祭りっぽかったので参戦いたしました、わっしょいわっしょい。
「One week, My room」について
謎解きアドベンチャー「One week, My room」/サークル 常夜灯
今回の記事の表題にある「One week, My room」ですが、今年6月に公開したWindows向けのフリーゲームです。処女作です。
私が企画、シナリオ、グラフィックを担当しました。プログラムとキャラクターデザインはサークル仲間のおうるさん、サウンドはつばさくんです。
一時間くらいで遊べるので、ぜひ。ホラーじゃないよ!
(明日、12月25日からゲームを始めると、ゲーム内時間とリンクしてちょっと嬉しくなるかもしれません)
この記事では、このゲームのドットを打ってた時に考えてたことなどをさらっと書いていきたいと思います。
ドット絵は描けるけど、ゲーム作りは大変そう……と悩まれてる方の参考になれば幸いです。
ゲームを作る、そしてその絵を描く、ということ
ゲームを作りたい!という妄想は、みなさん年がら年中四六時中されてると思うんですけども、私ももちろんその一人です。
「あんなマップやこんなシステム作りたい!グラフィックはめっちゃ動く、1ドットにこだわりぬいたドット絵で!」
……とかなんとか考えて、画像仕様書を作る段階で白目を向きます。
もうね、無理なんです、ドット絵は確かに大好きだけど、何十枚何百枚って、正直描きたくないんです。
描きたいときに楽しいと思える絵だけ描いてたいじゃないですか。趣味ですし。(お仕事は別です)
だから私は、グラフィックの量を極力減らす方法として今回、ワンマップものを選びました。
描くオブジェクトを絞ったことで、それぞれにアニメーションをつけるのもそこまで苦じゃなかったです。
オリジナルグラフィックのみで初めてゲームを作られる場合は、マップを一つだけに絞るのおすすめです。
世界観をだすために
企画をこねくり回した結果、舞台は現代、夜中の8畳の部屋に決まりました。
常夜灯に照らされた家具を素敵に描くには、何をおいても素敵パレットが必要です。
まず、グーグル画像検索で「常夜灯 部屋」とか「暖炉 部屋」とか調べたり、実際に自室を暗くしたりして、色を感じ取ります。(実際の色を確かめるの大事)
目を引く色は白っぽいオレンジ、それと黒のコントラストがあれば、常夜灯っぽさを出せそうです。
冷たさも出したいので、黒は青みを混ぜてみます。
それがこちらのパレットです。EDGEというペイントソフトで開けます。ご自由にどうぞ。
一番上の赤や緑は、たぶん下書きに使ってました。
(キャラクターに関しては、サークル仲間のおうるさんがデザインを描いてくれましたので、パレットが別に存在しています)
おそらくですが、ドット絵をかかれている方には、あまり綺麗でないパレットに見えるのではないでしょうか?
近似色が多く、いくらでも削れそうです。
なんで削らなかったんだろう……。たぶん、どこで色使ったのかわからなくなって、下手に削れなくなったんだと思います。
でも、パレットはゲームのプレイヤーさんには見えないところなので、描く側が納得できてればそれでいいんだと思います。
最近は、色数制限のあるプラットフォームは、ほとんどありませんしね。
世界の柔らかさを表現するために
デフォルメのお話です。
本作に登場する家具は、あえて丸みを帯びさせてます。(画像右)
重い話のゲームなので、絵柄まで余裕のない感じにはしたくなかったからこうしました。
ドットの四角さを生かすデザインも好きですが、あえて数ドット丸めて個性を出すのも面白いですよね。
ドットで曲線を描くのはなかなか慣れるまでは難しい部分ですが、綺麗な曲線を描けたときのアドレナリンは半端ないので、積極的に挑戦していきたいです。
世界に命を吹き込むのために
私はアニメーションが苦手です。
私はアニメーションが苦手です。(大事なことなので略)
正直、アニメーションは、ずっと避けてきた部分だったのです。
でも、ゲームの企画を考えてるとき、ずっと頭の中で主人公が動いていたので、動かさないでゲームを完成とさせることはできませんでした。
苦手なりに気合をいれて動かしました。
おかげで少しアニメーションへの苦手意識が減った気がします。
キャラクターや家具も動きますが、一番動く部分はエンディングなので、ぜひみなさんにもエンディングをご覧になっていただければと思います。
アニメーションをさせるために考えていたことですが、ここでもやはり、うまく手を抜く方法です。
ぬるぬるアニメーションさせたいキャラクターは、極力色を減らしました。
1色、2色程度しか使ってなければ、枚数増やしても本当に楽です。
ただ単に色を減らすと露骨に手抜き感が出てしまうので、色がないことにもストーリー上意味を持たせました。
手抜きも手抜きに見えなければ手抜きじゃないのです、たぶん。
最後に
ながなが書いてきましたが、まとめると、
上手に手を抜きましょう!
それに尽きます。
ただ、こだわりたいところをこだわるためにも、削って納得できる部分は思い切って削る。
1ドットにこだわりたいから、素材数を減らす。
動きにこだわりたいから、色数を削る。
もちろん、全部完璧にできたらそれが一番なのでしょうが、完璧にこだわってゲームが完成しなければなんにもなりません。
その代わり、完成させて公開すれば、何かしらの反応がきっとあります。
それは、私にとって、かけがえのないものでした。
この記事を読んでくださった方が、一人でもゲームを作ろうと思ってくださったら嬉しいです。
お知らせ
ドット絵山盛りの「One week, My room」の公式ガイドブック、
12/29(金) コミックマーケット93 一日目 サ20aで頒布します!
ゲーム中に使用したすべてのグラフィックを収録しています。
アニメーション一コマ一コマ、全部載ってます。ぜんぶです。丸裸です。
ドットの技術的な話はありませんが、ドットをじっくり眺めたい方に最適!すごい!
あ、あと、別のサークルで、こういう遊べるトートバッグと缶バッジのネット通販もやってますので、ドット絵グッズ好きな方はぜひ!
おまけ
ゲームを作るにあたって、参考にした本をいくつかご紹介します。ドット絵関係ないです。
(ドット絵に関しては、この本がいいの一言です……不覚にもなくしてしまった……再販してほしい……)
企画書の書き方が、具体例を交えていてわかりやすい。仕様書の書き方も少し載ってる。
広く浅い印象だが、読みやすかった。
ゲームプランナーの新しい教科書より、ビジネス寄りな印象。
企画書の書き方も詳しい。
ポスターとか、ロゴとか、イメージカラーとか、めっちゃ大事。
デザインは、どこにでも絡んでくるので、これ系の本は読んで損はないです。
動物さんたちかわいい。
書いてあることはわかるんだけど、実際に描こうと思うと難易度が高かった……。デッサンから勉強しないといけないと痛感しました。
ゲームの企画段階で参考にした本です。タイトルは、リンク先をご覧ください。
お話づくりは、下調べが大事だなぁと思います。
ゲーム作りに関して話したいことは多々あるのですが(仲間は極力少なくとか、イベントやコンテストなどの締め切りを決めてしまうとか、ターゲットを強く意識するとか、キャッチコピーにこだわるとか)、ドットの話からそれるのでまたいずれ機会があれば書きたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
メリークリスマス!良いお年を!